2001年に開業したスタジアムで、2004年にはチャンピオンズリーグ決勝戦の舞台ともなったUEFA基準最高ランクのスタジアムです。
可動式ピッチ・全天候ドーム型・天井に吊り下げられた4面大型ビジョンなど当時としては新しい試みを多く取り入れたハイテクスタジアムでもあります。
主なツアー概要
- 【入場料(大人)】:€9
- 【ツアー形式】:ガイド付きツアー
- 【所要時間】:75分
ツアーは月曜日、試合日、イベント開催日以外は毎日開催しています。
予約はオンラインで出来ますが、支払いは現地で行います。
公式ホームページ
スタジアム アクセス
スタジアムへの交通手段はトラムです。
ゲルゼンキルヒェン中央駅(Gelsenkirchen Hbf)からスタジアム最寄り駅フェルティンス・アレーナ(Veltins-Arena)駅までは約15分で、運賃は片道3ユーロです。
入場は西ゲート1(Tor West1)から
ツアーの集合場所は「シャルケ・ミュージアム」ですが、ミュージアムへの行き方が少々分かりづらいです。
試合日以外、入場ゲートは閉鎖されていますが、スタジアム正面の「西ゲート1(Tor West1)」の一部が開放されているので、そこからスタジアム敷地内に入り「shalke Museum」のサインに沿って進めば、ミュージアムがあります。
シャルケ・ミュージアム
ミュージアムについて、公式HPで詳細な説明はされていませんが、とても充実した内容なので、ツアー開始時間より早めに訪問することをお勧めします。
ミュージアムにはタイトルトロフィーや過去のユニフォームなどが展示されており、クラブの歴史を感じることができます。
国内屈指の人気クラブですが、ブンデスリーガ1部での優勝経験はなく、タイトルは内田選手在籍時の2010/11のDFBポカールでの優勝から遠ざかっています。
ミュージアムからガラス越しにピッチが広がっており、一目見ただけでこのスタジアムの素晴らしさが分かります。
この日のツアー参加者は私を含め2名で、2人とも外国人だったため、英語でガイドをしてくれました。
スタジアム・ツアー
16万人を超えるファン
正面エントランスからツアーはスタートします。
試合当日は、ここから選手がスタジアム入りをします。
正面エントランスのビジュアルを近くで見ると多くの顔写真で構成されています。
世界中のシャルカー(シャルケファン)のパスポート写真やこれまで所属した選手の写真をモザイク画のように埋め尽くつくして一つのビジュアルにしています。
シャルケのメンバーシップは世界中に16万人以上いるらしく、その中には毎試合オーストリア・ウィーンから14時間かけて車で応援に来る熱烈なファンもいるということです。
ホスピタリティエリア
ホスピタリティラウンジの規模は欧州クラブ最大級らしく、確かに他のスタジアムツアーでは見たことないくらい広大な空間でした。
フェルティンスアレーナはドイツのスポーツ施設としては初の完全な民間投資で建設されました。
総事業費約227億円、融資額は146億でしたが、2019年に完済したことでも当時話題になり、クラブがいかに多くの人に支持されているか分かるトピックスでした。
ホスピタリティエリアの広々とした足元空間で、シートの座り心地はさすがというものです。
炭鉱をイメージしたエントランス
ピッチに向かうプレイヤーズトンネルは、地元の歴史でもある炭鉱の坑道をイメージしたもので、ツアーもこの通路をくぐってピッチに入ります。
可動式のピッチ
収容人数60,000人のスタジアムは、それほど大きさを感じず、観戦しやすいようにスタンドがレイアウトされているように見えます。
ピッチは可動式で試合のない日やコンサートなどのイベントのある日は、ピッチを屋外に出して芝生の養生をしています。
サッカー開催日以外の収益源として、多目的に利用できることを考慮して建設されたスタジアムで、2022年秋にはローリング・ストーンズのコンサートもここで開催されました。
全天候に対応可能な開閉式の屋根を装備しており、当時としてはドイツ国内初の試みでした。
開閉には30分程度要するようですが、このツアーの少し前の大雪が降り、屋根に積もった雪の重荷のため可動機能が故障してしまったようです。
新しい取り組み
可動式ピッチ、全天候型など新しい技術を導入しているスタジアムですが、ミックスゾーンのすぐ横にある礼拝堂も、欧州のスタジアムでは初めての設備だそうです。
スタジアムの名称は地元のビール会社「フェルティンス社」が命名権を取得し、現在のスタジアム名となっています。
スタジアムの地下には巨大な52000リットルのビールタンクを装備し、スタジアム天井に張り巡らされた全長9kmのパイプを通じて売店に新鮮なビールを送っています。
パイプは毎回清掃しているということです。
ドレッシングルーム
ホームチーム ドレッシングルームの選手の場所は固定でないらしく、その日メンバー入りした選手の背番号順に端から決まっていくようです。
アウェイチームのドレッシングルームはシンプルですが、清潔感があります。
ホーム、アウェイいずれのドレッシングルームのそばには大型のバスルームが設置されています。
クラブの歴史
コンコースには赤と黄色のラインが引かれており、このラインはコンコースを一周しています。
1904年に創設された当初のクラブカラーは「赤」と「黄」で、創設時の歴史を今のスタジアムに残しています。
最高ランクのスタジアム
正面エントランスにはUEFAが定めるスタジアムランキングの中の最高基準「カテゴリー4」を証明するプレートが置かれており、ガイドの方はこのことをとても誇りに思っておられました。
2004年のチャンピオンズリーグ決勝戦はここで開催されました。
公式ファンショップは練習グラウンドを挟んだ先にあり、スタジアムからは少し歩きます。
建物の屋上にある回転する大きなエンブレムが目印です。
可動式の天然芝のピッチ、全天候型、大型四面のビジョンなどのハイテク機能やクラブの歴史が詰め込まれたスタジアムであるといこと、そしてシャルケがいかに多くの人に愛されているかよく分かるツアー内容でした。
参加者2名の少人数ということもあり、ガイドの方と会話をしながらスタジアムやクラブの歴史について知ることが出来ました。
そして、そのガイドの方のクラブやスタジアムに対する愛情が伝わってくるツアーでもありました。